ダヤーは思いやり、または共感を意味する。
ヨーガでは、消費者から貢献者に変化していくことが、人の成長と言われる。
アルタ(安全・安心、物質的繁栄)や、カーマ(快楽・喜び)を得て幸せになる生き方は、消費者としての幸せだ。しかし、アルタやカーマを得続ける幸せだけでなく、他者が困っているときに共感し、手を差し伸べたり、自然環境に優しい行いを選ぶことへの幸せは、貢献者としての幸せである。
消費者としての幸せも味わいつつ、貢献者としての喜びに幸せを感じることは、成熟した人間の特徴である。消費者としての生き方、貢献者としての生き方、この2つを選ぶことができるのは人間に与えられた特権だ。
人は誰でも、共感してほしい、認めてほしい、手を差し伸べてほしいという気持ちがある。思いやりを持つということは、相手の状況や気持ちを考え、共感し、手を差し伸べることができることだ。
ヨーガの教えの基本は、自分がしてほしいことを他者にすることだ。相手が困っているときに手を差し伸べることは、自分の成長にも繋がり、大きな喜びを得ることにもつながる。
しかし、愛着や執着が強すぎてしまうと、共感し、手を差し伸べることが、期待・依存・コントロールになってしまう。
見返りを求めず、相手に期待せず、コントロールしようとせず、手を差し伸べることが思いやりの実践だ。